個人的にはなんとかなっている
長年使ってきたwindows環境からXubuntu(デスクトップ環境にxfceを使ったubuntu linux)に切り替えられるのかどうか? ってタイトルなんだけど、まぁ自分の場合はなんとかなってて、windows(と言ってもwin7ではなく、仮想環境にインストールしたwindows2000)を使うのは、長年使っている家計簿ソフトに入力する時と、インクジェットプリンタでカラー印刷をする時だけになっている。
一応はwindows7とのデュアルブート環境なので、リブートしてwin7で使うこともできる訳だけれど、実際上win7を最後に使ったのはもう何ヶ月も前のことで、たまにwindows updateのためだけに立ち上げて、アップデートが終わるとリブートしてxubuntuに戻るという感じになってる。
(windows updateはあんまり溜めてしまうと平気で半日PCが使えなくなったりするからなあ)
何でxubuntuで用が足りてるのか?
デスクトップLinuxが「使えない」とされて、実際にもあまり普及しなかったのって、以下の理由がよく言われている。
- OS自体とアプリケーションソフトウェアのインストールや設定が、windowsやMacOSに比べると面倒で難しい
- 使い慣れたアプリケーションソフトがLinuxに対応していないので、何かと勝手が違うので作業していてストレスがたまる。(で、windowsやMacに戻る)
- プリンタなどの周辺機器にLinuxでは使えないものが多い。
インストールや設定の面倒さだけれど、これは明らかにwindowsと比べれば面倒で大変。大抵はwindowsなりMacOSなりがプリインストール済みのハードウェアを買う人がほとんどだろうし、自前でインストールやアップグレードをする人でも、windowsやMacであればOSの入ったインストールディスクを突っ込んで、あとは画面に従って操作すれば大体はトラブルなくインストールが終わる。
LinuxなどのFree OSはやはりそう簡単には行かなくて、何だかんだとかなりwebで調べて作業する必要がある。 これはそういう作業が好きなパソコンオタクや、業務としてコンピュータを扱うために最初から十分な知識経験があるSEやプログラマなどでないと、なかなかそれを使おうって気にはならないだろう。
windowsは高額でLinuxやBSD系のOSは無料だと言っても、windows10 homeのパッケージ価格はアマゾンで二万円切ってる訳で、その二万円で楽を買ったと考えれば、大抵の人には安上がりだろうと思うのではある。 自分は貧乏でパソコンオタクだったから、あれこれ調べてインストールや設定をするのが苦痛ではなく、作業時間も取れたので「なんとかなった」のだ。
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アプリケーションの問題は、殆どが「マイクロソフト オフィス」が使えない、って話に集約できるのだろうなと思う。エクセルが使えない、ワードが使えない、って話だ。これに関しては「オープンオフィスがあるだろ!」って言い返す人が居そうなんだけど、両方使ってみた感想では、使い勝手も安定性もマイクロソフトの製品が優れている様に思う。 そしてそっちを使い慣れていれば、やはり切り替えはやりたくない人がほとんどだろうとは思うのだ。
Excelの最初の製品はMac用で10万近い値段だった。(30年前にMacintosh SEと一緒に買ったのでよく覚えている) 今はずいぶん安くなって15000円位で、それくらいのお金で利便性を買うのは理にかなってる。仕事で使うならなおさらのこと。
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ウチの場合はフリー(無料)であることのメリットが大きかったので、使い慣れるまでの苦労を我慢することにした。MS officeからOpen office(実際にはブランチであるLibreoffice)に切り替えることにしたのである。 安定性も機能もファイル互換性も「大体は満足なんだけどちょっと不満が残る」って感じではあるが、なんとかなるという点では十分なんとかなっている。
(ファイル互換性は正直「ちょっと不満がある」程度ではなくて「期待すると馬鹿を見る」程度だとは思うw)
オフィス系ソフトウェアとしては、webアプリケーションのGoogle ドキュメントやマイクロソフトのOffice onlineも問題なく使える。どちらも高機能とは言い難いけれど、個人的には必要十分で機能不足とは思わなかった。
今の時代では、一番使われてるソフトウェアはウェブブラウザだと思うけれど、これに関してはLinuxは殆どのディストリビューションで問題がない。現代の標準ブラウザであるGoogle chrome, Firefoxともに最新バージョンがwindows版と同様に使える。 逆に言うとMSオフィスを使わず、殆どブラウザしか使わない人であれば、誰かにインストールと初期設定をしてもらえばubuntuなどで間に合うとは言えそうだ。 自分はクローム系のVivaldiを主に使っているけれど、これもwindows版と機能も安定性も同等である。
殆どのwebサービスやwebアプリケーションは、xubuntuで問題なく作動する。OS切り替えの理由になったブラウザゲーム「艦これ」も、作動保証のあるOS環境ではないものの何ら問題なく動く、と言うかメモリ不足で不安定なwindows 7 32bitの環境よりも遥かに安定している。 トラブルが起きやすいYoutubeなどの動画配信サービスでも問題ない。アマゾンプライムの動画配信も全くトラブルなく視聴できる。 NetflixもLinux対応を謳っているので視聴できるはず。但しHuluはLinux対応しない事を断言しててその予定もないようだが、個人的にはHuluで見たい動画なんて一つもないしな。 昔のサイトではマイクロソフトのSilver rightを利用している所が少なくなく、そういうサイトの視聴には問題があったようなのだけれど、最近は大手サイトはほとんどHTML5に対応してSilver rightやFlashを廃止してるので、問題が減ってきてるのだと思われる。
電子メールもLinuxで困ることはまず無いと思われる。webメールならgmailがブラウザから何の障害もなく使えるし、メーラーは多くの人はOSバンドルのアウトルックを使ってると思うが、Ubuntuでは標準のThunderbirdで置き換えても使い勝手に大差はなさそうである。
自分の場合はwindows上ではSylpheedを使っていたので、そのままlinux版のシルフィードを使い続けているから、本当に何の問題も感じなかった。
自分の知る限りでは一番クソ重くてトラブルの多いフェイスブックのwebサイトでは日本語入力に問題があって、ブラウザにはFirefoxを使わないと入力文字の取りこぼしが起きる。Linux版のChrome系ブラウザと相性が悪いようだ。 それと、ヤフー系のニュースサイトはPC Unixの利用に対して悪意があるようで、linux版のブラウザからアクセスしていることをサーバで検知すると動画データを送ってこない。 これは不具合ではなく仕様だと思われるので、将来も改善されない可能性が高い。
話は脱線するが、中之島のコミュニティセンターや開発センターに置いてあるPCもブラウザの利用が殆どである訳で、それならばセキュリティ的にザル以下になっているWindows vistaやXPで動いている現状よりは、軽量LinuxであるPuppy linuxやLinux Mintあたりに切り替えたほうが良さそうに思う。
(どれも古いマシンなのでubuntuでは重いだろう)
今のPC unix系での日本語入力はMozc+ibusあたりがメインで、windowsで言うと「google日本語入力」に相当する。バグもなく安定して実用上は問題ないレベルで使えるけれども、変換効率では残念ながらジャストシステムのATOKと比べられるようなレベルではない。 昔はLinux用のATOKもリリースされていたのだけれど、プロプライエタリなソフトウェアを嫌うPC Unixの世界では商売になるほど売れなかった様で今はもう販売されなくなっている。
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とは言うものの、この文章もMozcを使って書いているわけで、最善ではないが必要は十分満たすという感じではある。
デジカメ撮影画像のレタッチはGIMPが使える。多分フォトショップに慣れた人だと使いにくいのだろうが、結構高価なフォトショは会社員時代に多少は使っていたと言う程度で、主に使っていたのはCanvasというドロー系のソフトウェア。自分のやるレタッチはRGBのヒストグラムを出して色調整し、あとはブライトネスとコントラストを調整するだけという単純なものなので、GIMPに切り替えても操作感覚が特に変わることもなくそれほど困ることはなかった。
GIMPにはwindows版やMac版があり、ユーザーが比較的多いので情報を集めやすいというメリットもある。
動画処理はshotcutがあり、それを使っている。windowsではOS付属のムービーメーカーしか使ったことがないので、機能的に高度な事は考えないし使えないので十分過ぎる感じである。windowsやMacでAbobe premiereとかを使ってた人だと「全然ダメ」と言うかも知れないが。
windowsとMac以外のデバイスドライバを持たない周辺機器というのは、やはり結構ある。インクジェットプリンタのEpson EC-01がそうだし、Fax複合機のCanon MF4750は日本語版のメーカーウェブサイトにはlinux用ドライバがなく、何故か英国支社のサイトにあって、なんとかそれをダウンロードできたから良かったけれども、実はこのドライバではプリンタ出力をFAXに吐き出すことが出来ず、一回紙に打ち出してからFAXするというまどろこしいことになっている。(無論、windowsではPCから直接FAXできる)
まぁ設定次第で直接FAXが可能になるかも知れないのだが、FAXを送る頻度はそれほどないから面倒くさいので放ってあるとも言える。
ただ、プリンタなどではLinux用のドライバが出ている場合のほうが多い。HPやエプソン、ブラザーは殆どあるのではないか。エプソンのEC-01は商業的には失敗したモデルだったから例外なのだろうと思ってる。キャノンのプリンタも大抵はlinux用ドライバがあるけど、ここはlinuxへの対応にはあまり熱心でない印象がある。
iTunesの様なミュージックプレイヤーも比較的多くあり、ubuntuではRhythmboxが標準である様だが、その他にも色々ある。音質的にはデフォルト設定で使うとそこそこだけれど、それはwindowsでiTunesを使っても一緒なのでしょうがないと思う。(Macはデフォルトでもかなり良い音で鳴るみたいだが)
音質を詰めようと思うとwindowsだとfoobar2000あたりをwasapiで…… となるのだが、LinuxではALSAやJackの設定がどうだこうだになってもう少し面倒である。ウチではモニタの壊れたノートPCが転がっていたので、それを再利用する形で音楽サーバを立て、それを使って音楽を聞いてるのでxubuntuでは殆ど音質にはこだわらずにデフォルトで使っている。
音楽サーバの方もOSはLinuxで、これも設定はかなり面倒だったのだけれど、音楽サーバーを立てるのはwindowsでもそれほど簡単ではないので、まぁ似たりよったりではないかと思う。Macは良くわからない。
USBDACもlinux対応を謳う製品は殆どないのだけれど、つなぐと普通に認識してしっかり使えるパターンが多いようである。特に安価でwindowsでも専用ドライバを必要としない製品はlinuxでもドライバ無しで使えるようだ。(高価なUSBDACだと個別に調べないとダメなようだ)
上記のような感じで、特に大きな不満もなく使えているけれども「誰でも簡単に使える」ってレベルでは全然ないよな、というのが率直な感想。