離島で貧乏暮らし

貧乏ネタでいろいろ書こうかなと……

フェリーとしま2が火災事故を起こして一月ぐらいになる訳だが

去年のうちは一日一回ほどの状況報告が防災無線で入っていたが、新年を迎えてからは一切の情報が流れなくなった。

とりあえずはっきり報告されているのは「一月のすべての航海予定はキャンセルする」事だけで、火災の被害状況や修理の見通しについては全くの情報公開がない。 二月以降の予定もサイトに記載がないから、運航中止が二月三月とズルズル伸びていく可能性は高いと思う。

何しろ、船がドックに入れたのか、鹿児島港の岸壁に停泊したままなのかさえもわからないのである。
伝え聞いた話によると、修理に入れるドックが見つからず、未だに鹿児島港の岸壁に留められたままであるというが、これも少し前に聞いた伝聞なので今どうなっているかはわからない。*1

島育ちの人は役場や船の乗務員に親戚がいたり、近所付き合いでの噂話などで、もう少し詳しい情報を手にしているのかもしれないが、他所から引っ越してきた者には行政の情報発信以上の情報源はある程度限られるので、詳しい状況がわからないのである。

年末からキャンセルになったフェリーとしまの航海は往復十回分くらいになろうかと思うが、代船としてフェリーみしまが二回、名瀬からの作業船が二回、鹿児島からが燃料輸送船を含めて三回来ているが、貨物輸送はだいぶ滞っていて、うちも卵は切らすわ牛乳は切らすわで結構大変になってきてる。 島の商店で買い足せたから良かったものの、その商店の仕入れも定期性に著しく掛ける作業船での輸送のために生鮮品はかなり厳しい様である。(葉物野菜とかは難しくなってきてる)

貨物輸送に使っている船は、本来は港湾工事などに使うクレーン付きの台船で、速度は10ノット以下でフェリーとしまの半分もでないし、船型も外洋航海には向いてないから、フェリーとしまでは問題にならない程度の時化でも出港中止になったりする。 それでも対応してくれるだけ有難いことではあるのだが、いつまでこのやり方で貨物輸送を続けられるのか、疑わしい様にも思う。

元々作業船なので、冷凍コンテナを運ぶための電源サービスなども装備されていないため、わざわざ大型の発発を載せて冷凍コンテナに電気供給している船もあって、そういう作業船に冷凍コンテナを載せてくるのだが、そういう作業船はとりあえず一隻しかないので、チルド貨物の輸送(生協の冷蔵品+冷凍食品とか)がかなり滞っている。 フェリーみしまは冷凍コンテナを積めるので日曜発の便に期待していたのだが、今日からしばらく寒波で海上大荒れだから欠航も已むを得ない。

旅客輸送の方はフェリーみしまと村営船ななしま、民間の海上タクシーで運ぶ訳だが、みしまと海上タクシーは時化で欠航、ななしまは検査が入っていて使えない状態である。


一切の情報が出なくなったフェリーとしまだが「エンジン交換まで必要になるなら三ヶ月から半年は復帰できないのではないか」という悲観的な予測も耳にしている。 そうなったら、今の泥縄式の貨物輸送では行き詰まってしまうだろうと思うが、果たしてどうなることやらである。

仮に三ヶ月復帰できないとすると、五月までフェリーとしまによる輸送はできない訳で、その場合は今年のびわの出荷はできないなと、袋を掛けながら考えている。 去年よりはだいぶ作が良さそうなのに残念だ。

これ、離島の生活の基本インフラが成り立たなくなってきているという意味で大事なんだけれども、何しろそれ以上に大事の能登の大地震(二百人以上死んでる)と被ってしまって、元々知っている人も少ない僻遠離島自治体だから誰も気にしない状態なのであるが、せめて鹿児島県くらいは気にかけてくれよと思うのである。
(まあ、村からは色々働きかけて、あれこれ動いてもらってるんだろうとは思うが)

フェリーとしま2

*1:鹿児島から戻れていない島の人がFBで教えてくれた所によると、1/23現在でも鹿児島港の岸壁に係留されているとのこと