報告会の議題は、昨年末に火災事故を起こし、現在も復旧・運行再開の見通しが全く立っていないフェリーとしま2に関するもの。 二月初めに開かれた臨時議会に於ける村役場からの報告を住民に伝える目的で開かれた。
1. 機関室火災事故に対する説明
機関製造を担当したダイハツディーゼルによる事故後の調査によると、三番・四番シリンダに接続される燃料噴射ポンプ配管のフランジボルトが緩み、霧状に漏洩した燃料に引火、電装系とターボチャージャーを焼損したとのこと。 フランジボルトの緩みの原因は不明。
本来取り付けられている噴射ポンプ側の飛散防止カバーが外されていたことで、燃料の霧が広く飛散・着火する事を防止出来なかった、との指摘あり。 カバーを外していた理由は、火災前の航海で機関室の不調が続いており、頻繁に点検をする状況にあったことから、外したカバーの再取り付けをしなかったとの説明あり。
原因の究明は長期間(年単位)かかる見込み。 海難審判も同様。
2. 損傷・復旧の状況
電装系機器・電線・ターボチャージャー・シリンダヘッドなどは焼損しており要交換。 機関本体は再使用可能。
焼損した電線や機器の調達(受注生産)に時間がかかり、2月現在でもドック入渠も出来ていないことから、工事が完了し復帰するまでは最短でも4月5日までかかる模様。(工程図上の予定)
(吉田予想: 完成検査や試験航海等、工事そのものが長引く可能性も考えると、運行再開は4/5よりもかなり遅れると考えられる)
3. 代船の手配等
国交省等からのあっせんがあったが、航行区域が限定沿海であったり喫水の問題などで十島航路には就航できない船舶もあり、現状ではななしま2、海上タクシー、貨物船の傭船とフェリーみしまの応援で凌いでいる。
旅客船として青ヶ島丸(伊豆諸島で運行)を、三月中に試験航海を除いて3回、折衝中で傭船できるかどうか確かではないが、別の高速船の運行(最大3航海)も要請中であるとのこと。
ななしま2の定員増(12名から30名に)は手続きをしているとのこと。
名瀬・鹿児島便(空路)の増便も依頼しているとのこと。
4. 補償等
民宿・畜産・水産・農業に対して補償をするとのこと。
県からは対策費用として五億二千万程度の予算措置をしてもらっている。 借入れではない。 臨時の貨物船その他の傭船費におよそ4億、その他補償金や人件費等の支出に充てるとのこと。
フェリーとしま2の修理に対しては、保険適用になるため村からの費用発生はない。
(保険金が上がる可能性がある: 吉田)
5. 島民からの要望等(ちゃんとメモらなかったので欠落多い)
島間貨物の輸送が止まったままなので、早く再開して欲しい。(郵便物も島間で送れない)
フェリーみしまの応援をもっと増やして欲しい。
海上タクシーの後部デッキで長時間過ごすのは、風や飛沫が激しくずぶ濡れになる。(非常に過酷) 高齢者は耐えられないのでななしま2などを優先して斡旋して欲しい。 海上タクシーでずぶ濡れになるのは避けられないので、合羽くらいは支給して欲しい。
ななしま2や海上タクシーの予約電話が混み合いすぎて繋がらない。 繋がってもすでに席が取れない状態なので何とかして欲しい。
ホームページ掲載の運行情報が整理されていない上にどんどん変更されたり、更新が遅かったりするので改善して欲しい。
鹿児島に上っている時は貨物受付時間や旅客運行の情報がウェブサイト頼りになるので、それがわかりにくいと非常に困る。
(スマートフォンの小さな画面で確認する人が多いので、それも意識して情報提供して欲しい。 :吉田)
自衛隊のヘリコプターを出して欲しい。
(A: 議員からも提案あったが難しい)
日赤診療がずっと止まっているがどうするのか?
(A: 海上タクシー・飛行機等で移動する形で検討中)
診療所の医薬品在庫は大丈夫か?
(A: 今のところ不足しているという情報はない)
ざっとこんな感じ。